金融引き締め開始は「物価高加速」がきっかけ

 ここまで、足元の暗号資産価格の急落は、FRBの金融政策の引き締め傾向が一因で発生した、「金融相場」が終わりを迎えた合図であり、株価下落の遠因であると述べました。では、FRBが金融政策の引き締め傾向を維持・推進しているのは、なぜなのでしょうか。

 以下の図のとおり、今年に入っても、さまざまな国際商品の価格上昇が止まらず、インフレ(物価高)懸念が長期化する可能性が生じているためです。

図:昨年末来の国際商品価格の騰落率 (2021年12月31日と2022年1月21日)

出所:Investing.comデータをもとに筆者作成

 FRBなどの中央銀行の役割の一つに、「物価の安定」が挙げられます。中央銀行は、インフレ(物価高)懸念が強まっている時、物価高の鎮静化を企図し、金利引き上げなどの引き締め策を講じます。まさに今、起きているとおりです。(物価高と金融引き締めが同時進行)

 では「物価高」は、何がきっかけで発生しているのでしょうか。