今週はFOMCと企業決算にらみの展開に

 また、冒頭でも触れましたが、今週はFOMCと企業決算にらみの展開となります。

 まず、FOMC(25~26日開催)では、「FRB(米連邦準備制度理事会)に逆らうな」という相場格言が意識されやすい環境下で、金融政策の正常化に向けたタカ派姿勢の強さ(利上げ回数や利幅、QT[金融引き締め]開始時期などの議論の内容)と、それらに対する市場の織り込み度合いを確認しながらの値動きが焦点になります。

 続いて企業決算については、金融相場から業績相場への移行が進む中で、米国のグロース(成長)株の代表格である、アップルやマイクロソフト、テスラなどが決算を発表します。

■(図6)アップル(日足)の動き(2022年1月21日取引終了時点)

出所:楽天証券取引サイトを元に筆者作成

 とりわけアップル株については、年始に上場来高値を更新し、時価総額が一時3兆ドルを突破したことが話題となっていましたが、そのわずか2週間後には高値から10%以上下落しているほか、25日移動平均線は跳ね返されるリターン・ムーブの動きとなって、50日移動平均線も下抜けるなど、ムードをかなり悪化させています。

 国内外の市場に対する影響力を踏まえると、同社の決算発表に対する市場の反応が今週のヤマ場となりそうです。

 ちなみに、日本国内では日本電産やファナック、アドバンテスト、信越化学、KDDI、キヤノン、OLCなどの決算が予定されています。

米小型株の動向を確認。金融引き締めの影響はどう出る?

 最後に、個人的に気になっているのが、米国の小型株の動向です。FRBの金融引き締めの影響が大型株に比べて中小型株の方が大きく出やすいとされているためです。

■(図7)米ラッセル2000(日足)の動き(2022年1月21日取引終了時点)

出所:Bloombergデータを元に筆者作成

 上の図7は米国の代表的な小型株指数であるラッセル2000の日足チャートです。先週の値動きによって、これまでサポートとして機能していた2,100pの節目を割り込んだほか、50日と200日移動平均線の「デッド・クロス」が出現しています。

 特に、このデッド・クロスについては、過去の出現状況をさかのぼると、2020年春のコロナショックの時、前回の米金融政策引き締め終盤の2018年秋、そして2015年夏のチャイナ・ショック時など、株価が大きな調整局面を迎えた場面となっています。必ずしも歴史が繰り返すというわけではありませんが、頭の片隅に置いておいた方が良いかもしれません。