金(ゴールド)の教科書も改訂が必要

 平成30年に告示された学習指導要領には、2022年度(来年度)より、高校生の家庭科の授業で「投資信託」などの投資に関わる内容を扱うと、書かれています。若い人たちの投資リテラシーを向上させ、より一層、日本の投資家のレベルを引き上げることに貢献し得る、重要な策だと言えます。

 文部科学省の資料には、持続可能な社会の構築に向けて、消費生活と環境を一層関連付けた消費者教育を推進し、生涯を見通した生活における経済の管理や計画、リスク管理の考え方を身に着けることが、目的の一つである旨が書かれています。時代が求める教育内容は、(男性像の件と同様)時代の変化とともに、変わります。

 時代の変化に伴って、教育内容がアップデートされるように、金(ゴールド)相場の動向を説明するための事柄もアップデートされなければならないと、筆者は考えています。先述のとおり、昨今の金価格の推移は、ドルとの関係だけ、株との関係だけで、説明することができなくなっているためです。

「3高(サンダカ)」は、実際に起きています。常にとはいかないまでも、今年を含めた今後も、起きる可能性があります。古い教科書にしばられたままでは、金(ゴールド)相場の動向を見誤ります。

 今年、「3高」は、金市場に関わる全ての人々の認識を正しい方向に導く、重要なキーワードになると、筆者は考えています。