上昇圧力と下落圧力を足し引きしなければならない

 ドル高でも株高でも、金(ゴールド)高が起きるのは、ドル高と株高起因の下落圧力と、それを相殺して余りある上昇圧力が、同時に存在しているためだと考えられます(下落圧力は消えていない)。

 現在、たくさんの不安材料が融合し、膨張して、「有事のムード」が形成されています。世の中に「有事のムード」が漂うことで、資金を逃避させる需要が生まれ、有力な逃避先と目される金(ゴールド)が物色されていると、考えられます。

「有事のムード」起因の上昇圧力が、ドル高・株高だったとしても、金価格を上昇させているわけです。上昇圧力と下落圧力の影響度を、足し引きする必要があるのです。

図:金(ゴールド)市場を取り巻く環境

出所:筆者作成