TOPIXコア30指数の上位銘柄に注目

 ご参考までに、TOPIXコア30指数のウエイト上位10銘柄を図表3で示しました。同10銘柄の年初来騰落率平均は+31.6%と、TOPIX(+10.2%)を大きく上回っています。どの銘柄も各業種を代表する大型優良株で流動性が高く業績見通しも堅調である銘柄が多いのが特徴です。

 例えば、トヨタ自動車の時価総額は日本で最大(約34兆円)で生産・販売台数は自動車業界で世界首位であることが知られています。年初来上昇率が31.7%である一方、来年の予想PERは9.1倍と割安感が強く、予想配当利回りは3.9%と高く投資妙味が高いと評価されやすい状況です。

 また、三菱UFJフィナンシャル・グループは年初来で38%上昇していますが、予想PERが8倍を下回っている他、予想PBR(株価純資産倍率)はいまだ0.5倍を下回り、予想配当利回りは4.7%と魅力ある水準にあります(23日)。

 その他、成長期待が高いとされるIT関連ではソニーグループ、キーエンス、リクルートホールディングス、東京エレクトロン、日本電産、信越化学工業など国際競争力の高い大型銘柄が上位に位置しています。業種や銘柄を分散して新年に向けた投資戦略を構築したいと思います。

<図表3:注目したいTOPIXコア30の上位銘柄(参考情報)>

(出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2021年12月23日)

 なお、上記したように外国人投資家が手掛けやすい大型優良株が広く物色される可能性を考慮し、TOPIXコア30指数に連動を目指す東証上場ETF(東証コード:1311)を活用する方法もあります(図表4)。

 同ETF(上場投資信託)の直近の取引価格は1,000円未満で推移しており、取引単位は10口ですので、1万円程度から国内の大型優良株に分散投資するポートフォリオを構築することが可能です(23日時点)。このように、「大型優良銘柄のみに分散投資できるETF」を利用することも検討したいと思います。

<図表4:TOPIXコア30銘柄に分散投資するETFを活用する>

(出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2021年12月23日)

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