米国市場で上昇していた「恐怖指数」がピークアウト
11月中旬から12月にかけての米国市場では、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長のタカ派発言やオミクロン型感染拡大に対する警戒感でリスク回避姿勢が強まり株価が下落。こうした影響を受け、日本株も下値を探る展開を余儀なくされ、日経平均株価は一時2万8,000円を割り込みました。
その後、オミクロン型への過度の懸念が後退。日米株式とも買い戻しが優勢となりました。来週(14~15日)開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)を控え、テーパリング(量的緩和縮小)加速や早期利上げ観測には注意が必要ですが、米国市場では投資家センチメントに改善の兆しもみられます。
図表1は、年初来のダウ平均、米国市場の恐怖指数(VIX)、日経平均の推移を示したものです。「投資家の株価変動予想を示す」とされる恐怖指数は先週「危険水準」とされる30を上回り、不安心理の高まりを示しましたが、今週は急低下しました。
経験則によると、米国株が下落する局面では日経平均の下振れリスクが大きくなる傾向がありました。ただ、米金融政策やオミクロン型変異株を巡る不透明感が一巡すれば、日本株は出遅れ感や割安感から投資魅力が高まっていると判断され、中長期の観点では買い戻されると考えています。
本稿ではその背景となり得る、「売られ過ぎ感」と「日本市場の業績見通し」についてご説明します。筆者としては、今回の株価の下げは限定的で、「年内最後の押し目買い機会」となる可能性が高いと考えています。