中国恒大集団の債務問題、Xデイは10月23日付近

 中国恒大集団の債務問題については、9月29日、恒大集団は傘下の地銀株を売却し、1,700億円の資金を確保しましたが、9月23日に次いで29日のドル建て債利払いも見送った模様です。

 年内社債の利払いは700億円超ありますが、売却資金は恒大集団がすべて自由に使えるわけではないとの報道もあり、デフォルト懸念は依然くすぶったままです。

 また、10月4日、香港証券取引所は、恒大集団と不動産管理子会社の恒大物業集団の株式取引の売買を終日停止しました。

 背景は不明ですが、複数の中国メディアは恒大が恒大物業の株式の約51%を400億香港ドル(約5,700億円)超で売却する計画だと報じました。資産の切り売りで資金繰りの確保を模索しているようです。

 国慶節明けの7日にかけてさまざまな臆測が流れる可能性もあり、引き続き警戒する必要があります。

 また、9月23日の米ドル債の利払いが履行されず、30日間の猶予期間に入っていることから、10月23日付近がXデイとなりそうです。今後、中国政府が思い切った処理に出るのかどうか注目です。

 このように米国債務上限問題や中国恒大集団の経営不安問題が解決されるまでは、引き続き下方リスクを警戒する必要があります。