実はジワリと上昇していた。家計における電気代は、この20年で最大2万円増加

 以下のグラフのとおり、2人以上が住む世帯の電気代は、この20年間で、年間最大約2万円、上昇しました。

 家庭の電気代は基本的に、使えば使う分だけ増えますので、電気代の話の際には量の話が欠かせません。また、単価にも目を配ることが必要です。単価は、電力の需要動向、発電をするためのコスト、政策的要因などで変動することがあります。

図:二人以上の世帯の支出金額における電気代とその割合

出所:総務省統計局の家計調査(家計収支編)をもとに筆者作成

 年間2万円の負担増加は、1カ月あたり約1,700円の負担増加を意味します。この額を大きいととるか、そうでないととるかはご家庭により異なると思いますが、すでに家計の4%程度まで、電気代の負担が増加していることを考えれば、関心を抱かずにはいられません。

 本レポートでは、日本の家庭などにおける電力需要や、発電コストに関わる液化天然ガス(Liquefied Natural Gas、以下LNG)の輸入量や価格の変遷、今後のエネルギー価格の動向などについて、解説します。