現在の日本の電源構成は、火力がメイン。新エネルギー、水力が続く

「豊かな生活」「脱炭素」を維持・達成するために欠かせない電力を、日本ではどのようにして生み出しているのでしょうか。以下のグラフは、どの分野でどの程度発電しているのかを示す、いわゆる「電源構成」です。

図:発受電電力量の推移 (一般電気事業用)

出所:資源エネルギー庁「エネルギー白書2021」などをもとに筆者作成

 かつての日本は、石油火力による発電と水力による発電が主流でした。しかし、1970年代の「オイルショック」を機に脱石油が加速し、次第に、天然ガス火力と原子力が主流になっていきました。

 その後、東日本大震災が発生したり、「脱炭素」が世界的なブームになったりして、発電をめぐる環境は大きく変化しました。

 2019年度時点の構成比は、化石燃料(天然ガス+石炭+石油などを燃料とした火力発電)が76%、原子力が6%、再生可能エネルギー(地熱および新エネルギー+水力)が18%です。

 日本政府が現在検討している、2030年度までの新しい目標は、化石燃料が40%程度、再生可能エネルギーが30%台後半、水素・アンモニアが1%以上、原子力が20%程度、とされています。

 火力発電がメインの日本において、これから10年をかけずに、化石燃料の割合を76%から40%に減らすという、野心的な目標が検討されているわけです。

 実現のため、より多くの温室効果ガスを排出する石炭を減らし、比較的同ガスの排出量が少ないとされる天然ガスへのシフトが進む可能性があります。

 石炭を使用しなくなる(代替手段がなくなる)分だけ、今よりも、天然ガスの重要性が増すことになると、考えられます。