損切りは冷静に

 ショックを受けながらも、損切りをしたむらやんさん。特に投資初級者の場合、株価の戻りを期待して、なかなか損切りに踏み切れないのでは?

「あのとき損切りできたのは、次の日になったらどんなことになるのかと、一晩中ヒヤヒヤしているより、とにかくスッキリしたかったというのが本音です。その晩、友達と飲みにいって一晩寝たら、案外気持ちもリセットできましたし、翌日も朝から取引していました」(むらやんさん)

 それからも損切りが大事だと感じた局面はあったというむらやんさん。中でも2006年のライブドア・ショックのときが一番印象的だったと言います。それまで「バブル再来か」と順調に値上がりを続けていた東証マザーズ、日経平均株価の下落幅が半端なものではなかったからです。

「新興株を持ち続けていた人は『全員負けたな』と思うほどでした。自分の中でこれくらい下がったら損切りというルールを決めて、スパスパ切っていかないとダメだと考えさせられました」(むらやんさん)

 

その後収支の状況は?

 投資を始めて1カ月半のころになるとトータルで80万円くらい負けていたむらやんさんは、2カ月目で100万円の利益をたたき出します。

「これ、完全にビギナーズラックなんですが、『なんだ、損なんてすぐに取り戻せるやん』と勘違い。そこからドツボにはまり、投資スタートから3~4カ月目で最初の投資額500万円が半額の250万円になって、『アレ? このままのペースでいくと破産する』と気づきました。今から考えるとしょうもないですね。細かに相場や値動きを分析することなく、なんとなく適当に株を買って『上がれ!』と祈るだけの『お祈り投資法』だったんですから」(むらやんさん)