リスク4:製造業にサプライチェーン・ショック

 宿泊業や飲食サービス業といった対面サービス業が落ち込む一方、製造業が健闘していましたが、マレーシアやタイ、インドネシア、ベトナムといった東南アジアでも新型コロナウイルスの感染拡大が広がっています。

 トヨタ自動車やホンダで部品調達が滞っていることから、国内外の工場の一時停止などを行っていますが、今後、さらにサプライチェーンの混乱が広がる可能性があります。

 米国や中国の需要に支えられてきましたが、そもそもの供給に問題が生じては海外需要の強さも生かすことはできません。2020年春のサプライチェーン・ショックの震源地は中国でしたが、今後は東南アジアが火薬庫になりかねない状況です。

新型コロナ、五輪に隠れたリスク情報を見逃すな

 こうして見ていくと、あちこちにダウンサイドリスクがあって、数日前に公表された経済見通しであっても、額面どおり受け取ることができず、今後のリスクを織り込む必要があることが分かります。

 日本国内の新型コロナウイルスの感染拡大、そして、五輪の影響で、それ以外のニュースの扱いが小さくなっています。省庁や国際機関のリリースや海外動向など、変化が激しいこのタイミングだからこそ、時間を割いて情報を集める意義があるでしょう。