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簡単すぎて拍子抜けする大相場の予兆の発見方法
石原 順
外為市場アウトルック
リーマンショックの影響による景気回復に向けた歳出の増大が、世界中で財政赤字の拡大を招いた。政治家は財政再建をしなければならず、その結果、景気対策は中央銀行に押し付けられることにな…

簡単すぎて拍子抜けする大相場の予兆の発見方法

2017/10/26
・乗り遅れたくない投資家がこぞって市場に押し寄せるメルトアップの様相
・株式市場は強いが、今後はしばらく横ばいジグザグ相場か?
・年末に向けてドルは上昇基調か?
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 米株式市場はトランプの経済対策期待、日本は選挙相場と2018年度大盤振る舞い予算期待で強力な上昇相場が続いている。NYダウも日経平均も52日ボリンジャーバンドの+2シグマの外で相場が展開されており、尋常ではない相場展開となっている。10月7日「投資戦略フェア大阪」の楽天FXセミナーで解説したように、52日のボリンジャーバンドの2日連続±2シグマ抜けの相場は、順張り投資家であれば(ストップロスを置いて)参入しておきたいテクニカルポイントである。


日経平均(日足) 52日ボリンジャーバンド+2シグマの外で相場が走るバブル相場展開

上段:52日標準偏差ボラティリティ(青) 下段:52日ボリンジャーバンド±2シグマ(赤)・±3シグマ(青) 出所:石原順


 
NYダウ(日足) 52日ボリンジャーバンド+2シグマの外で相場が走るバブル相場展開 

上段:52日標準偏差ボラティリティ(青) 下段:52日ボリンジャーバンド±2シグマ(赤)・±3シグマ(青) 出所:石原順


 
乗り遅れたくない投資家がこぞって市場に押し寄せるメルトアップの様相

 NYSE(ニューヨーク証券取引所)とナスダックの合計時価総額を米国の名目GDP(国内総生産)で割った値であるウォーレン・バフェット考案の<バフェット指数>(100%を超えると過熱水準)をみると、現在は157%と過去最高水準にある。エール大学のロバート・シラー教授が考案した<シラーPER>も現在30倍を超えているが、過去の相場で<シラーPER>が30倍を超えたのは2000年のドッドコムバブル時と世界恐慌がおこった1929年の2回しかない。通常のPER(株価収益率)も歴史的に高水準にあるが、悪材料が出ても市場は材料視しておらず、その楽観は過剰と判断される水準に達している。現在の相場はファンダメンタルズが正当化する範囲を超えているが、これこそがバブル相場の特徴である。

 かねてより、米国株はトランプ大統領の誕生でバブルが延命する可能性があるという見通しを述べ、「トランプの勝利により、ファンダメンタルズやバリュエーションに関する合理的な評価とは何の関係もない、溶解システムを作動させたというリスクはある」と発言していたエコノミストのエド・ヤルデニ(ヤルデニ・リサーチ)は、現在の株式市場について、【市場は、乗り遅れたくない投資家がこぞって市場に押し寄せるメルトアップの様相を急速に強めている。心配なのは通常、メルトアップの後にはメルトダウンがやって来ることだ】(10月11日CNBC A melt-up is likely gripping the market, and its ultimate demise could resemble the 1987 bust, Wall Street's Ed Yardeni predicts)と、述べた。

 メルトアップとは、過剰流動性によって全部の資産価格が上がってしまう現象で、株価が上昇するとは考えられない理由が十分あるにもかかわらず、大幅な株高が進む状況を指す。現在のメルトアップは中央銀行主導のバブル現象なので息が長いが、投資家はメルトアップの後にはメルトダウンが待っていることを頭に入れておくべきだろう。

 メルトダウンとは、「驚きが発生したときに、株式や特に債券の再評価は急激で劇的になりうる。同じ混雑した取引に捕まったすべての人は、我れ先にと、出口へ向かう必要が出る。これまでと反対方向への群れる行動が発生する」とヌリエル・ルービニが指摘する局面だ。マクロ流動性と市場の非流動性との組み合わせによる行動ファイナンス理論である。


株式市場は強いが、今後はしばらく横ばいジグザグ相場か?

 下のチャートはNYダウの日足だが、右上のADXの上昇にピーク感が出てきている。ADXが本格的にピークアウトしてくると、今後、相場は横ばいかジグザグの下落相場に移行する可能性が高まる。日経平均にまだこの兆候はみられないが、こちらも早晩、横ばい相場に移行するかもしれない。ただし、高値切り下げや安値切り下げという弱気パターンのコンディションが整わない限り、売りでとるような相場展開にはならないだろう。


NYダウ(日足)とテクニカル指標

出所:石原順

 

日経平均(日足)とテクニカル指標

出所:石原順


年末に向けてドルは上昇基調か?

 イエレンかパウエルかテイラーか?新FRB(米連邦準備制度理事会)議長の人事が気になるところだが、現在の米国10年国債金利をみると、日足、週足とも金利上昇トレンドが発生している。株式市場がバブルの様相を帯びるなか、誰がFRB議長になっても粛々と金融正常化が進むと債券市場はみているのかもしれない。


米10年国債金利(日足) 買いトレンド相場

上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青) 下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑) 出所:石原順


米10年国債金利(週足) 買いトレンド相場

上段:14週修正平均ADX(赤)・26週標準偏差ボラティリティ(青) 下段:21週ボリンジャーバンド±1シグマ(緑) 出所:石原順

 
ドル/円(日足)

上段:13日(点線)・26日(実線)標準偏差ボラティリティ 下段:21日指数平滑移動平均線(黄) 出所:石原順


ユーロ/ドル(日足)

上段:13日(点線)・26日(実線)標準偏差ボラティリティ 下段:21日指数平滑移動平均線(黄) 出所:石原順


 米長期金利がここから年末に向けて上がっていくと仮定するなら、年末に向けてドルは上昇基調を続ける可能性がある。下はドルインデックス先物の週足だが、4月から9月までの強烈なドル安トレンドは終了し、ドル売られすぎの修正局面に入っていると思われる。そうであるなら、ドルは悪くてもレンジ相場で大幅な下げは考えにくい。


ドルインデックス先物(週足) 調整相場

上段:14週修正平均ADX(赤)・26週標準偏差ボラティリティ(青) 下段:21週ボリンジャーバンド±1シグマ(緑) 出所:石原順


  ただし、ムニューシン米財務長官が「トランプ政権が目指す税制改革への期待が株価を押し上げているのは間違いない。しかし、税制改革が実現しなければ、株価上昇の相当部分を失うだろう」と警告しているように、税制改革が頓挫すればドル売りになる可能性もある。

 筆者は自分の相場予測はするが、ポジションを取るのは順張りであれ、逆張りであれ、テクニカル指標を使っている。相場はタイミングを当てるゲームで、相場予測が当たることと、相場で儲けることには何の関係もないからである。

「適切な基本哲学を持っていれば、事態が変わることは結局利益になる。最悪でも、長い目で見れば生き残れるだろう。しかし、適切な基本哲学を持っていなければ、そのうち変化に殺されるので成功しない。私は、自分が予測なんてできないとわかっていた。だからトレンドについていくことにしたし、だからこそ大成功し続けているのだ。私たちはただトレンドについていく。そのトレンドが初めのうちどれほどバカげて見えても、またどれほど続いても、あるいは終わりがどれほど筋が通らないように見えても、私たちはトレンドについていく」(ジョン・ヘンリー)

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