注目の中国株2:SMIC(00981)

 中国最大、世界有数の半導体ファウンドリーです。台湾系経営者が中国側の要請を受けて設立した、実質的には台湾系の民営企業です。

 中国を中心に、北米、EC(ヨーロッパ共同体)、その他アジアの企業が得意先です。

 2021年1-3月期業績は22%増収、147.6%増益でした。

 需要面では2019年下期以降、回復基調が続いています。

 ただ、米国政府は2020年12月、同社を輸出管理規則に基づくエンティティー・リストに入れています。技術面、人的つながりでは台湾(TSMC)との関係が深いのですが、規模が大きい上に米国の技術(テキサス・インスツルメンツ)が事業基礎の一部になっているとみられ、制裁の対象になったと考えています。米国からの設備、原材料などの購入に制限が加えられること、設備増強のタイミングが重なることもあって2021年下期業績は弱含みも予想されます。

 ただ、国家が半導体産業の育成に力を入れており、資金面などで総合的な支援が期待できること、台湾とのつながりが強く技術面で有利であることなどから、長期的には米国の制裁を克服して成長できると予想します。

注目の中国株3:ASMパシフィック(00522)

 オランダに本社を置く多国籍企業であるASMインターナショナルの傘下企業で、半導体製造装置の世界大手メーカーです。

 同社は主にアセンブリ、実装などの後工程向けの装置製造を手掛けています。最終需要先はスマートフォン、PC、自動車、工業用機器、LED機器、太陽電池メーカーなど、製品の需要は多彩です。

 国別売上高では、台湾を筆頭に、韓国、日本、米国、ドイツなど、広く分散しています。

 2021年1-3月期業績は45.6%増収(ただし、継続事業)、2,096.1%増益となりました。新規受注は73.4%増です。当面の間、半導体不足からくる装置需要の拡大が続くと予想します。

注目の中国株4:キングボード・ホールディングス(00148)

 中国最大のプリント配線板(PCB)メーカーです。もともと、その部材となるラミネートの製造から事業をスタートさせており、ラミネート生産量では世界最大規模です。

 収益の柱はラミネート、PCBで、そのほか化学工業品の製造、不動産業、投資事業なども行っています。

 2020年12月期は5.7%増収、52.0%増益となりました(四半期決算の開示はありません)。PCB、ラミネートはパソコン、スマートフォン、自動車をはじめ、ほぼすべての電機製品に使われます。

 景気回復や、テレワークの普及、イノベーションの加速などによる需要構造の変化などから、電機製品に対する需要は強く、積極的な設備投資を続けていることもあり、高成長が続くと予想します。