オプショントレーダーは「100ドル」を予想している⁉

 需要拡大への「期待」や「願望」、供給減少の実態、「全体的な将来の良いところ取り」などで原油価格は上昇しているとみられる中、気にかかるデータが報じられました。NY原油のオプション取引における「100ドルになったら買う権利」の残高です。

図:権利行使価格100ドルのNY原油コールオプションの残高 単位:千枚

出所:WSJ(The Wall Street Journal)より筆者作成

 現在、満期日が2022年12月のものの同オプションの残高が増えているとされています。平たくいえば、来年末に、原油価格が100ドルを超えると考えるトレーダーが増えているわけです。

 ただ、これはあくまで足元の動向です。将来的に同オプションの残高が変化する可能性があります。この点だけを見て、原油相場が来年末に100ドルになる、などとは言えません。

 一部で、需要拡大への「期待」や「願望」、「全体的な将来の良いところ取り」などをきっかけとした価格上昇を見込んだ売買が行われていることの現れだと、筆者は考えています。