世界の株式市場の強弱をチェック!
世界の主要株価指数の年初来騰落率:2020年末から2021年5月28日までの上昇率(現地通貨建て)
米国株では、景気敏感バリュー株の構成比が相対的に高いNYダウが堅調な一方、GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)などグロース株の比率が高いナスダックが弱めとなっています。
コロナ感染が少なく、景気好調なベトナム株、原油価格上昇の恩恵を受けるロシア株、半導体などエレクロトロニクス景気回復の恩恵を受ける台湾株、ワクチン接種が進み景気回復期待が高まっているドイツ株などが、年初来の上昇率が10%を超え、好調です。
一方、コロナ感染の拡大から景気回復が遅れる懸念の出ているインド、ブラジル、インドネシア株が、相対的に出遅れています。また、アリババなどIT関連成長株に対し政府の締め付けが厳しくなりつつある中国株(上海総合)も、上値が重くなっています。
上の表に、日本の株価指数を入れて比較すると、以下の通りとなります。
日本および世界の主要株価指数の年初来騰落率:2020年末から2021年5月28日までの上昇率(現地通貨建て)
上の表を見ると、わかることですが、日本株を代表する株価指数であるTOPIXや日経平均は、日本の景気回復の遅れを嫌気して、上昇が鈍くなっています。
ただし、TOPIXバリュー指数だけで見ると、世界の中で上昇率の高い指数と同じ動きをしています。TOPIXバリュー指数には、世界景気回復の恩恵を受ける景気敏感株が多いことが要因です。
自動車、鉄鋼、化学など製造業バリュー株は、世界景気回復の恩恵で活況。商社、石油、非鉄、海運など資源関連バリュー株も、世界的な資源高の恩恵から好調です。
また、大手金融業のバリュー株も、米景気好調に伴うドル長期金利上昇を受けて、上昇率が高くなっています。