SENSEX

 最後に注目したいのはインド市場指数であるSENSEXだ。これは少し毛色が違うが、触れていきたい。

 今後長期的に見た場合に大きく成長を遂げる可能性があるエリアとして、インドや中国が挙げられるが、今回はそのうち、インドに着目する視点を提案したい。なぜなら、新興国への投資という観点で最も重要な点の1つである、国の成長と市場の成長がリンクしている市場がインドだからだ。

 SENSEXは、香港ETF(上場投資信託)のiシェアーズS&P BSEセンセックス・インディア・インデックスETF(02836・香港株)で投資可能だ。

 なお、対象指数はやや特徴が異なるが、米国ETFではウィズダムツリー インド株収益ファンド(EPI)や、ヴァンエック・ベクトル・インドグロースリーダーズET(GLIN) などでインド株への分散投資ができる。

成長に期待!でも途上国投資で気をつけなければならないポイント

 よく聞く意見としてこのようなものがある。「この途上国はGDP(国内総生産)が大きく伸びているから今のうちに投資をしておこう」という意見だ。

 間違った考えではないがある重要な視点が抜けている。

 それはGDPの成長を株価に反映させられる企業が上場しているかどうか? ということだ。

 そのような銘柄がなければ、いくらその国が豊かになったところで、その国の株式市場には株価上昇の効果があまり表れない。

 その点、インドは他の新興国と比較した際に、市場に上場している銘柄が幅広く、インドの成長を株価上昇という点でとらえやすい市場といえる。

 加えて、新興国の市場を下落させる要因でもある、市場システムの不整備という点についてもインドは首相自ら、市場の健全化に取り組むというスタンスを表明するなど非常に今後の成長が楽しみな材料がそろっている。

 現在はコロナのまん延によって株価も軟調な推移となっているが、長期的に見た場合に投資妙味は大いに期待できる市場なのではないかと思うため、最後にこの市場を着目ポイントとして提案したい。

 以上が私の考える米国株市場の現在の情勢とおもしろく、チェックしてみたい銘柄5選です。参考になればうれしいです!

≫前編を読む「世界市場で心理戦!コロナ銘柄の賞味期限は?」

たりたり社長氏・プロフィール
就職をきっかけに投資について本格的に興味を持ち、ほとんど投資に関する知識ゼロ経験ゼロの状態から投資の勉強を始める。投資についての正しい知識を得るまでの自身の経験や株式アナリストでの経験をもとに、株式投資にまつわる知識をTwitterやブログ「たりたり投資塾」などで発信している。

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