iDeCo編:仕組み

 iDeCo(イデコ)とは個人型確定拠出年金の愛称です。

 確定拠出年金には会社が実施する企業年金の一つ「企業型」と、個人が任意加入する「個人型」があり、iDeCoは後者になります。そのiDeCoの特徴をできるだけシンプルに説明すると以下のとおりです。

税制優遇がある

 iDeCoへ積み立てたお金は将来自分が受け取るものでありながら、所得税や住民税の課税対象となりません。そのため、本来なら20~30%は課税されるところ、全額を自分の未来の財産とすることができます。また、運用収益もすべて非課税で丸取りできます。受け取り時に課税されるものの軽減税率となっており、税負担はゼロ、もしくはわずかで済みます。

拠出限度額がある

 毎月の積立額については上限があります。現状では、企業年金のない会社員が月2.3万円、企業年金のある会社員と公務員が月1.2万円などとなっています。なお、今後は企業年金の実施状況を勘案しつつ、月2.0万円まで引き上げる予定があります。働き方によって異なるので詳しくは楽天証券のiDeCoページなど、ウェブサイトで確認してください。

運用の選択肢は投資信託と預金などがある

 iDeCoについては最大35本に絞り込まれた商品リストが提示され、そこから運用の組み合わせを行います。定期預金や保険などの元本確保型の商品と、投資信託が並列しているので、投資をしないで税制優遇だけ得るような選択肢もとれます。

60歳までは解約できず老後資金として積み立てする

 iDeCoの大きな特徴は、「60歳まで原則解約不可能」ということです。マネープラン上、近い時期に資金使途のある目的(住宅購入とか子の学費など)には適しません。むしろ下ろせないことをメリットと考え、「老後に2,000万円」の軍資金を作る目的で活用してみるとよいでしょう。また60歳まで何度利益確定しても非課税投資が続けられる、と考えればこれもメリットといえます。

一人1口座しか作れない

 iDeCo口座は国民一人1口座しか作れません。口座を開設する金融機関を一つ選ぶことになります(運営管理機関という)。夫婦が各1口座、持つことは可能です。

口座管理手数料がかかる

 制度の実施主体である国民年金基金連合会、資産を預かる信託銀行、運営管理機関が口座管理手数料を取ります。運営管理機関については楽天証券のように「ゼロ円」としているところもあります。ただし、所得税や住民税の軽減効果を考えれば、稼ぎのある人は基本的に手数料を上回るメリットがあります。