中国内需の実力

 チャートを4枚用意しました。ざっとで結構ですので、ご覧ください。

主要国における名目GDP(国内総生産)の推移

単位:10億ドル
出所:IMF(国際通貨基金)データより筆者作成

 

購買力平価ベースでの名目GDPの比較

単位:10億ドル
出所:IMFデータより筆者作成

名目GDP (全体、製造業)などの国際比較(2019年)

出所:国連データより筆者作成

自動車生産台数の国際比較(2020年

出所:OICA(国際自動車工業連合会)データより筆者作成

 米国と中国との経済規模は縮まりつつあるのですが、それでも直近で中国の経済規模は米国の約7割程度です。いつ経済規模が逆転するのかということを多くの市場関係者たちは気にしているようです。予想をするには、両国の成長率見通しと、人民元対ドルレートの見通しが必要なのですが、成長率はともかく、為替レートについては専門家たちの間でも予想にばらつきがあります。その結果、米中逆転の時期は2030年代といった予想もあれば、早ければ5~6年先といった予想もあります。

 しかし、為替レートに購買力平価(IMFデータ)を用いて計算すると、2017年の時点で既に中国が米国を追い越しています。

 購買力平価から見た経済規模は内需の実力を示すものだといった見方もできます。実際のレートで見るよりも、中国の内需の実力は高いということです。

 中国の人口は14億人で、4億人以上の中産階級がいます。輸入に関しては現時点では、まだ米国が第1位ですが、間もなくそれも中国が追い越すことになりそうです。