2万8,500円まで下落の可能性も

 4月20日、日経平均は午前中から大きく下げていましたが、この日、日本銀行のETF(上場投資信託)買いは出ませんでした。4月に入ってから、まったく買っていません。日経平均2万9,000円台では買わない姿勢を明らかにしたと解釈することもできます。

日本銀行による日本株ETFの月間買入額:2015年1月~2021年4月(20日まで)

出所:日本銀行データより楽天証券経済研究所が作成

 3月の金融政策変更で、年間6兆円をメドとする買い付け方針はすでに撤廃しています。日経平均が急落した時などに、必要に応じて年間12兆円を上限とする買い付けを行う方針だけを残しています。買う場合も、日経平均連動型ETFは買わず、TOPIX連動型ETFとする方針です。

 4月はまったく買っていません。どこまで下がれば日銀の買いが出るのか分かりません。ただ、4月20日に日銀の買いがなかったことから、売り方が短期的に売りを増やしやすくなった可能性はあります。日銀の買いが出ない状況が続けば、日経平均は短期的に3月半ばにつけた安値に近づく、つまり2万9,000円を割れて2万8,500円前後まで売られる可能性もあると思います。