エヌヴィディア

エヌヴィディア(ティッカーシンボル:NVDA)は1993年にカリフォルニア州サンタクララで創業されたGPUのデザイン会社です。

GPUはゲーム・コンソルやPCゲームの描画を加速するための半導体としてスタートしましたが、高速並列計算に優れているため、最近はAI、深層学習、自動運転車などへも利用され始めています。

2016年はゲーム向けGPUの新しい商品サイクルの年にあたったため、ゲーミング売上高が急増しました。しかしゲーム向けGPUの売上は、新製品サイクルと密接に関係しているのでシクリカルな動きをすることが知られています。

これに対しデータセンターではAI、深層学習などへのアプリケーションにGPUが使われています。これは新しいマーケットであり、シクリカルと言うより、セキュラー(長期成長的)な需要だと思われます。

さらに自動運転車も新しいマーケットとしてたいへん有望です。現在のところエヌヴィディアの自動車向けGPUの大部分は、自動運転車のアプリケーションではなく、車内のオーディオ&インフォテイメント・システムを駆動することに使われています。

同社の場合、会計年度は1月末で〆られるのですが、2017年度の市場別売上成長率はゲーミングが+44.1%、プロ向けビジュアライゼーションが+11.3%、データセンターが+144.8%、自動車が+52.2%、OEM&IPが-10.9%でした。

GPU市場におけるエヌヴィディアの市場支配力は圧倒的であり、技術力では他社を寄せ付けません。その反面、売上高ならびに利益の過半数はシクリカルなゲーミング向け市場に依存しており、それは今がピーク需要を迎えている点には留意する必要があると思います。