金融相場から業績相場への移行期と判断

 米金利上昇の世界株に及ぼす影響について、私の意見は、これまでのレポートで述べてきた通りです。まだ金利上昇で株高が終わることを心配するのは時期尚早と考えています。景気回復の終盤で、金利上昇が株安のきっかけになることがありますが、まだその段階に入っていないと考えています。今は、景気回復初期、金利上昇初期で、金利上昇と株高が両立する局面と判断しています。

 景気・金利・株価は、密接に連携して動いています。景気が拡大・後退のサイクルを描く中で、金利・株価も一定のリズムでサイクルを描いています。

 景気・金利・株価には、一般的に、以下のような関係があります。

景気サイクルと、金利・株価サイクル

出所:筆者作成

 私は、現在の世界経済は、上記の景気拡大初期―中期にあると考えています。景気拡大初期(金融相場)から、景気拡大中期(業績相場)への移行期に当たり、まだ、金利上昇と株高が両立する局面と判断しています。 

 年後半、もっと米国・中国の景気回復が加速し世界景気に過熱の懸念が出る時、米長期金利が2%を超えていく時に、世界的な株高が終わることを心配する必要が出ると思っていますが、まだその時期ではありません。

 したがって、今の株安局面は、日本株の押し目買いの好機と考えています。今、下落率が高くなっている、景気敏感バリュー株を買い増ししていくべきと判断しています。

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