株価反発のシナリオも残されている

 では、このまま下値を探る展開になるかといえば、現時点ではかなり微妙です。というのも株価が反発するシナリオも残されているからです。

■(図2)日経平均(日足)の動き(2021年2月26日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 昨年夏以降の日経平均は、「月末付近で下落し、翌月に反発」というパターンが繰り返されています。今回も月末に大きく下落しましたが、これまでは相場が崩れるかと思いきや、持ち直してさらに上値を更新してきたわけです。前月(1月)の時も、月末に25日移動平均線を大きく下抜ける場面を見せたものの、翌月に大きく反発しています。あくまでも、「歴史は繰り返す」という前提ではあるものの、今回も下げ止まり、もしくは反発していくシナリオがあります。

 また、先週末の株価水準は、最近までの上昇基調が始まった昨年10月末を起点にして、1月末の下落時と結んだトレンドラインの延長線上に位置しており、ここをサポートにできれば、やはり反発への萌芽(ほうが)となる可能性もあります。

 トレンドラインについては、TOPIX(東証株価指数)やNYダウ平均株価も似たような状況となっています(下の図3と図4)。

■(図3)TOPIX(日足)の動き (2021年2月26日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

■(図4)米NYダウ(日足)の動き (2021年2月26日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 仮に反発となった際には、前回のレポートでも指摘した通り、日経平均・TOPIXともに、直近高値を結んだ「上値」ラインを上抜けできるかが焦点になります。