東証・チャイエックス(Chi-X)・ジャパンネクスト(JNX)・Kai-X:どこで取引したら有利か?もっとも有利な取引を自動選択するには、「SOR有効」を使う

 B社の場中(東証があいている時間)の板が、以下のようになっていたとします。

 どこで、売買するのが、もっとも有利でしょう?

 表中で、CHXは、Chi-Xをさらに短縮した略称です。

<B社の板状況>

注:東証のもっとも低い売り指値は17,690円です。東証のもっとも高い買い指値は17,680円です。その間に、PTSで指値が入っています。17,689円には、CHXとJNXに合計で2,100株の売り指値があります。17,688円には、CHXだけで100株の売り指値があります。17,682円にはJNXだけで200株の買い指値があります。17,681円にはCHXとJNXの合計で1,500株の買い指値があります。

 100株買いたいならば、CHX(チャイエックスPTS)に100株の成行買いを入れて、板が変わらなければ、もっとも有利な価格(1万7,688円)で買うことができます。

 100株売りたいならば、JNX(ジャパンネクストPTS)に、100株の成行売りを入れて、板が変わらなければ、もっとも有利な価格(1万7,682円)で売ることができます。

 株式売買注文を出すとき、どこで売買するか、指定することができます。

(1)取引市場を「東証」と指定すると、東証で売買されます。
(2)取引市場を「Chi-X」と指定すると、チャイエックスPTSで売買されます。
(3)取引市場を「JNX」と指定すると、ジャパンネクストPTSで売買されます。

 ただし、めまぐるしく変わる「板」を見ながら、どこで取引したらもっとも有利か、つど判断するのは、至難の業です。こんな時に使うと便利なのが、SOR(スマート・オーダー・ルーティングの略称)です。

 取引市場を「東証」とし、「SOR有効」を選択しておけば、東証があいていて、東証で株価がついている時間帯は、東証・CHX・JNXのうち、もっとも有利な取引のできる場所をシステムが自動選択して、取引が執行されます。

 B社の場合、「SOR有効」で100株成行買いを入れれば、もっとも有利な価格で買えるCHXが自動的に選択されます。「SOR有効」で100株成行売りを入れれば、もっとも有利な価格で売れるJNXが自動的に選択されます。

 なお、Kai-Xを利用することに同意している方は、Kai-Xも含めてもっとも有利な売買方法を、システムが自動選択します。

「SOR有効」を利用しても、追加の手数料はかかりません。通常の売買手数料がかかるだけです。

「SOR有効」の注文を出せるのは東証があいている時間だけ

「SOR有効」で注文が出せるのは、東証の取引時間中で、東証で初値がついた後だけです。東証があく前、東証の昼休み、大引け後には、「SOR有効」の注文は出せません。

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