新型コロナウイルスのワクチン開発がすべてを左右する!
2020年の為替相場は米国大統領選挙が主要テーマになるはずでしたが、初春からの新型コロナウイルスの感染拡大によって状況が一変しました。
そして、今年のドル/円のレンジは2月の高値112.23円と3月の安値101.18円の11円5銭(*)です。2019年の8円30銭(*)の年間値幅をたった3週間ほどで上回りました。その後はこの3週間で形成されたレンジの枠内で動いているだけです。
もし、新型コロナウイルスの要因がなかったら、今年のレンジも昨年のような、あるいは昨年よりも狭いレンジになっていたかもしれません。
(*)筆者の情報収集により算定した参考値
為替ディーラーの相場予想は、短期は10分、中期は1時間、長期は1日で予想すると言われています。ハッサクが他社のディーラーと相場観を交換していても、電話を切ったとたん、お互い相場観を変えていたということはよくあります。お互い恨みっこなしで情報交換していますが、どんな状況にも対応できるように相場シナリオは常に複数用意し、臨機応変に対応することが肝要です。
従って、今回の2021年という1年間の予測は気の遠くなるような予測ですが、一つのシナリオとして参考になると思います。このシナリオをベースに、もし、予想が逆に進んだ場合のシナリオを準備しておくと役に立ちます。
2021年の基本的な考え方は、新型コロナウイルスのワクチン開発によって感染拡大が抑制され、経済も金融政策も、2020年の逆の回転になるかどうかだと考えています。
2021年はこうなる! 5大予測 | |
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1 | ワクチン接種に時間を要し、その間に変異したCOVID-21が猛威を振るい、経済に悪影響 |
2 | 世界経済の回復の勢いは鈍化し、景気は低迷 |
3 | 日米欧の中央銀行は2021年も超緩和政策を継続 |
4 | ドル安の構図は変わらず、ドル/円は100円割れとなり、介入警戒感から緩やかな円高に |
5 | 景気停滞と感染拡大は社会の不満を増大させ、米国だけでなく各国で社会・政治は不安定に |