1:ワクチン接種に時間を要し、その間に変異したCOVID-21が猛威を振るい、経済に悪影響

 米国で新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されましたが、生産供給体制、保管体制の問題で米国民の半分以上に行き渡るのは2021年半ば以降との見方が大勢となっています。その間、感染拡大は続き、経済活動に制限をかけ続ける状態が続くと予想します。

 また、ウイルスが変異し、新たな新型コロナウイルス・COVID-21として猛威を振るう可能性も予想され、さらなるワクチン開発が必要な事態になることも予想されます。1年を通して感染拡大は抑制されず、感染拡大→経済活動制限→感染抑制→経済活動再開→感染拡大を繰り返し、経済に悪影響を与え続けると予想します。

 また、米国内だけ集団免疫ができても世界経済の持続的成長は望めません。ワクチンが全世界に行き渡り、世界的に集団免疫となってヒトの移動、モノの移動が全世界的に自由に行われる必要があります。それには数年かかることが予想され、それまでは世界景気は低迷することが予想されます。

2:世界経済の回復の勢いは鈍化し、景気は低迷

 上記1.を背景として、2020年後半にみられた世界経済の回復の勢いは鈍化し、経済活動の制限によって再び経済は減速すると予想します。IMF(国際通貨基金)もOECD(経済協力開発機構)もワクチン開発によって2021年の経済成長率予想は急回復となっていますが、この予想よりもかなり低い成長を予想します。

 特に欧州はBrexit(英国の欧州連合離脱)も影響し、経済はかなり厳しい状況が続き、社会的、政治的にも不安定な状況が続くと予測します。

3:日米欧の中央銀行は2021年も超緩和政策を継続

 景気低迷によって、日米欧の中央銀行の超緩和姿勢は2021年も変わらないと予想します。ワクチン効果によって、2021年後半にFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策は出口を模索するとの見方がありますが、むしろ、追加緩和を模索する方向と予想します。