資源国は、資源価格上昇時に高パフォーマンス

 資源国はコロナ後の回復は鈍いと考えられます。以下、OECDの見通しをご覧ください。

OECDの世界経済見通し(GDP成長率):資源国

出所:2020・21・22年予想はOECD、2020年12月1日時点

 世界的に資源価格が急落した影響で、資源国のファンダメンタルズはさえません。コロナからの回復も、鈍くなる可能性があります。したがって、新興国への投資では、資源国よりも、非資源国の投資比率を高めとしたいと考えます。

 ただし、資源国への分散投資も必要と考えています。今後、世界景気が回復して、資源価格が上がる時、資源国の株価パフォーマンスが高くなる可能性があるからです。資源価格の上場時に、非資源国の株価パフォーマンスが鈍くなるリスクもあるので、資源国にも一定比率の投資が必要と考えます。ブラジル・オーストラリア・南アフリカなどに一定比率の投資を保有したいと考えます。中東産油国は、原油以外の産業がほとんど育っていないので、投資する価値はほとんど無いと考えています。

 最後に、ロシア株投資についての考えをお話します。ロシアは、財務良好で、国としてのファンダメンタルズは良好です。地球温暖化の恩恵で穀物生産が拡大し、かつて世界最大の穀物輸入国でしたが、今は穀物輸出国になりました。資源産業だけでなく、IT産業でも有力な企業があります。

 ただし、ロシアは資本主義国でないので、民間初のベンチャー企業が育ちにくいという問題があります。また、日本と同様、少子化が進む国なので、内需成長をあまり期待できません。結論として、ロシアは積極的に投資していく国ではないと思います。

 以上をまとめると、中長期の資産形成を目指すためには、日本株だけでなく、グローバル株式に分散投資していく必要があると考えます。米国株・アジア株がそのコアになると考えています。個別銘柄への投資は、米国株と中国株から始めたら良いと考えています。その他新興国への投資は、幅広く分散投資する投資信託やETF(上場投資信託)から投資していくのが良いと思います。

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