政治リスクはあるが中国株・アジア株の投資価値も高いと考えます

 成長性で高く評価できるのは、先進国では米国だけと考えます。成長性を考えると、グローバル投資では新興国投資が欠かせないと思います。

 政治リスクが高いことに注意が必要ですが、新興国でもっとも有望なのは中国【注】と思います。中国に加え、インド・東南アジアなどアジア諸国が、新興国投資として有望と考えています。

【注】GDP世界第2位の中国を新興国と呼ぶのは不適切ですが、グローバル投資の分類で新興国に分類されることが多いので、ここでは新興国とします。

 以下、OECDの見通しを参照ください。

OECDの世界経済見通し(GDP成長率):中国・インド・インドネシア・トルコ

出所:2020・21・22年予想はOECD、2020年12月1日時点

 上記に挙げた国では、トルコは、投資対象として評価できません。政治リスクが高く、かつ過重債務国であるからです。

 東アジア・東南アジア・南アジア(インド)には、積極的に投資したい国が多数あります。この地域には、製造業やIT産業などで成功し、成長してきた国が多数あるからです。世界の工場として製造業で成長する余地はだんだん小さくなってきましたが、代わりに内需(消費)で成長する余地が高まっています。人口増加に加え、中間層が富裕になった効果が消費拡大につながります。

 これらアジアの国々の共通点は、非資源国であることです(インドネシアなど資源が豊富な国も含まれますが、総じて資源が少ない)。資源国が、資源の呪い(資源産業が拡大すると製造業が衰退する国が多い)によって製造業が育ちにくかったことと比較して、アジアからは製造業が強い国が多数出ました。今後はITで注目できる国が増えると考えています。