中国経済の回復がもっとも早い公算大

 10月19日に中国国家統計局が2020年7~9月のGDP(国内総生産)を発表しました。物価変動の影響を除いた実質で前年同期比4.9%増です。投資や輸出がけん引役となり、伸び率は4~6月(3.2%)より拡大しています。

 新型コロナウイルスが直撃した2020年1~3月に、1992年に公表を始めた四半期ベースでは初のマイナス成長に沈んだものの、その後コロナ感染を抑えこんで生産が回復し、4~6月はプラス成長を取り戻し、7~9月の段階では先駆けて経済正常化、成長軌道を取り戻したことになります。

 個別企業に関するニュースでもいち早くそれを示唆する動きが出ていました。8月20日に大手経済紙で、「鉄鋼大手の東京製鉄が10年ぶりに中国に鋼材の輸出を再開」と報じられています。同社が中国へ鋼材を出すのは2010年5月以来のことです。

 このようなデータや事実は中国経済の回復を示すものですが、半面で、中国発や中国絡みの情報は検証をしておく必要もあります。依然としてその信頼性が問われるものだということも現実なのです。

 ここでは、中国からの受注によって株価が動意することが多い日本の大手企業の株価を指針として用いてみます。

村田製作所(6981・東証1部)の1年日足チャート

 PC、スマートフォン向け部品の製造

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)

ファナック(6954・東証1部)の1年日足チャート

 工場自動化ロボットの製造

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)