2つの不可逆的膨張・急増は、長期的な強い不安のもととなり、金市場をサポートする。

 人類が望んだ金融工学の発展は、社会をゆがめる一因となり、人類が望んだデバイスやインフラの発展は、社会の分断を深める一因となった、と筆者は考えています。そしてこれらはどちらも後戻りが困難とみられることから、“ルビコン川の渡河”、“負のテーマの不可逆的な膨張・急増”と言えると思います。

 負のテーマの不可逆的な膨張・急増は、各種市場に長期間にわたり強い不安を与えます。これにより、変動要因を考える上で重要な5つのテーマの1つである“有事のムード”が強まり、金相場は長期的にサポートされやすい状態が続くと、筆者は考えています。

 前回書いた、米大統領選挙や新型コロナ起因の不安要素が強まり、かつ本レポートで述べた、人類が渡った2つの“ルビコン川”が意識されれば、年内あるいは年明けの遅くない段階で、金相場は2,000ドルを回復すると、今のところ、考えています。

[参考]貴金属関連の具体的な投資商品

純金積立

金(プラチナ、銀もあり)

国内ETF/ETN

1326 SPDRゴールド・シェア
1328 金価格連動型上場投資信託
1540 純金上場信託(現物国内保管型)
2036 NEXT NOTES 日経・TOCOM金ダブル・ブルETN
2037 NEXT NOTES 日経・TOCOM金ベアETN

海外ETF

GLDM SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト
IAU iシェアーズ・ゴールド・トラスト
GDX ヴァンエック・ベクトル・金鉱株ETF

投資信託

ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)
三菱UFJ純金ファンド

外国株

ABX Barrick Gold:バリック・ゴールド
AU AngloGold:アングロゴールド・アシャンティ
AEM Agnico Eagle Mines:アグニコ・イーグル・マインズ
FNV フランコ・ネバダ
GFI Gold Fields:ゴールド・フィールズ

国内商品先物

金・金ミニ・金スポット・白金・白金ミニ・白金スポット・銀・パラジウム

海外商品先物

金、ミニ金、マイクロ金(銀、ミニ銀もあり)