1900年以降、人口増加が続く中、人類は2回ルビコン川を渡った。

 人類は、1900年以降、少なくとも2回、“ルビコン川”を渡ったと筆者は考えています。当時の人々が、その行為がルビコン川を渡ることを意味することや、川を渡ることでその後何が起きるのかを承知していたかどうかは分かりませんが、“後には戻れない”重大な決断をしたと、考えられます。

 それは、“先進国の債務の膨張”と“インターネット人口の急増”から、伺えます。以下のとおり、米国の債務証券の残高と世界のインターネット人口は、強い勢いを伴い、一貫して増加しています。

図:世界の人口、米国の債務証券残高、世界のインターネット人口の推移(2020年を100として指数化)

出所:各種資料より筆者作成

 米国の債務証券残高は1980年ごろから、インターネット人口は2000年ごろから、ともに堰を切ったかのように一気に膨張・急増し始めました。この流れを止める術を人類は知らないのではないか? と不安をいだくのは筆者だけではないはずです。

 このような流れは、ある意味、人類の“ルビコン川の渡河”によって起きたと言えるでしょう。すでに今、“後には戻れない”様相を呈していることを考えれば、なおさらです。次より、人類の“ルビコン川の渡河”によってはじまった、米国の債務証券残高の膨張と、インターネット人口の急増が与える社会への影響を考えます。