値上がり率ランキング(5銘柄)

1 ログリー(6579・東証マザーズ)

 8月中旬発表の通期大幅増額(今2021年3月期売上高32億円→38.7億円~40.8億円、営業利益0.5億円→1.4億円~2.0億円)を引き金に景色を変えた銘柄。

 ちょうど8月から値幅制限拡大ルール変更(2日連続ストップ高買い気配で3日目は上限値幅4倍)が適用されたこともあり、株価の急騰ぶりでも有名になった銘柄です。

 上方修正前の時価総額は31億円だったのですが、2カ月続いた大相場で時価総額は194億円に。9月に再始動したきっかけは、10日に発表した株式2分割。

 翌日16%高すると、分割権利取りの買いで怒涛の上昇に。さらに29日の分割後も2日連続ストップ高となり、9月末分割銘柄では一強状態でした(分割で上がらなかった他銘柄との違いは、最近の知名度だけなのでしょうか…)。

2 メディアリンク(6659・ジャスダック)

 超が付く低流動性の小型株が、材料をきっかけに急騰しました。3日に、中国最大の通信サービス事業者の一つが、中国全土をカバーする放送ネットワークの複数サイトの運用に向けて同社の「MD8000ソリューション」を採用したと発表。このサービスを利用すると、IPサービスを介した映像コンテンツの伝送を強化することができるようです。

 強そうな材料ですが、業績インパクトなどは未知数。とはいえ、発表前日2日終値時点の時価総額が17億円だったこともあり、需給ギャップで連日ストップ高に…。

 このサイズの小型株を機関投資家は触れず、株価を釣り上げたのは個人投資家の信用買いだったようです。東証が14日から信用規制をかけると、同日は18%安となり人気も離散しました。

3 Mマート(4380・東証マザーズ)

 2日続けてストップ高買い気配となり、値幅制限4倍拡大が適用されたマザーズの小型株。14日に発表した中間決算では、売上高が前年同期比8.8%増、営業利益が12.7%増と増収増益でした。

 さほどサプライズの大きい決算内容とも言えない印象でしたが、直前に決算期待の買い(決算プレー)が少なかったこともあったのでしょうか…。決算発表直前の時価総額が37億円、浮動株も少ない超小型株だったこともあって、想像を絶する好反応に。

 値動きだけでエントリーする投機マネーのすさまじさを示したのが、値幅制限4倍拡大が適用された17日でした。

 前日終値(S高買い気配)1,090円に対し、一時86%高の2,026円まで上昇(同日終値は1,488円)。この日に残した超長い上ヒゲ、まくれる日は来るのでしょうか?

4 ビープラッツ(4381・東証マザーズ)

 超小型株が発表したリリースをきっかけに急騰したのですが、同社の場合は2連(2日連続)リリースが刺激になったようです。

 2日に、同社のサブスクリプション統合プラットフォーム「Bplats Platform Edition」が経産省の推進する「IT導入補助金2020」のITツールに認定されたと発表。中小企業のITツールの導入を支援する補助金が出るという話で、最大450万円の補助金が受け取れるそうです。

 なぜこのリリースでストップ高したのか不明ですが、発表翌日3日はストップ高に。株価が動意付いたタイミングの3日引け後、今度はトヨタカローラ鹿児島の洗車サービスで「Bplats」が採用されたと発表。4日、5日とストップ高を続け、予想PER(株価収益率)は1,300倍台強に…すごすぎる。

5 ITbookHD(1447・東証マザーズ)

 個人投資家が活発に売買する意味では、スガノミクス関連銘柄のリーディングストックになったといえます。

 菅政権が自民党総裁選のタイミングで、「デジタル庁」の創設を打ち出しました。国と自治体のシステム統一などに動く方針が示されたことで、行政向けコンサルティング(マイナンバーコンサルティング、地方創生ソリューション)の実績がある同社がターゲットになったようです。

 小型株で低位株だったことが大きいといえそうですが、大相場の終盤になった24日は圧巻でした。この日の出来高は、上場来最大の2,172万株で、発行済み株数(1,980万株)を上回る規模に。

 なお、翌25日に“株価4ケタ(1,000円台)”を付けたからか達成感が広がり、東証が28日から信用規制をかけたことで急落。よくある材料株の顛末(てんまつ)でした。