9月の売買代金ランキング

 ここ数カ月のコロナラリーで、個人投資家の資金が大きく膨らみ、リスクの高そうなところ(=ボラティリティの高い銘柄)に短期マネーが向かう傾向が強まっています。

 その中で優先順位が高いのは、株価モメンタムが強い株(=よく上がってる株)であって、株価指標面で割高かとか、上がっている理由が何かという要素は軽視されがちになります。

 9月の売買代金上位群には、ティーアンドエス(4055)、サンアスタリスク(4053)、ニューラル(4056)など直近IPO(株式の新規公開)株が多くランクイン。月間騰落率ではマイナスですが、どれも8月末~9月初旬にかけて上場来高値を更新していました。

「株価が一番強いのが“直近IPO”だから」、これが理由であって、上昇モメンタムが壊れると一気に離散…それ以上でもそれ以下でもないでしょう。

 直近IPOを除けば、9月末時点のマザーズ最強モメンタム株はBASE(4477)といえそう。9月末時点の25日移動平均売買代金は135.5億円で、8月末時点の107.1億円からさらに増加。東証1部主力銘柄群と比べても遜色ない流動性を持ち、個人投資家以外の短期マネーを相当量巻き込んでいると想像されます。

 ちなみに、9月末時点の東証1部の最強モメンタム株はチェンジでした。そのチェンジは月末にかけて急落、モメンタム株の需給豹変(ひょうへん)は事前に読めないし、悪転すると想像以上の調整につながるリスクをはらみます。

市場 コード 銘柄名 9月末
終値
時価
総額
売買代金
25日
移動
平均値
月間
騰落率
東証マザーズ 4055 ティアンドエス 18,620 332 152.6 -18.8
東証マザーズ 4477 BASE 11,000 2,249 135.5 20.5
東証マザーズ 4053 サンアスタリスク 2,742 1,010 121.5 -5.4
東証マザーズ 4056 ニューラル 5,980 835 105.3 -8.0
東証マザーズ 4385 メルカリ 4,850 7,594 79.2 0.8
東証マザーズ 4057 インタファクトリ 5,020 192 65.5 -23.4
東証マザーズ 2160 ジーエヌアイ 3,740 1,626 64.3 49.6
東証マザーズ 4883 モダリス 2,723 759 57.8 -21.3
ジャスダック 3776 ブロバンタワ 417 251 52.5 59.2
東証マザーズ 4479 マクアケ 10,620 1,239 52.1 1.1
東証マザーズ 4563 アンジェス 1,448 1,781 50.6 -4.1
東証マザーズ 4488 AIinside 44,050 1,656 47.8 -3.0
東証マザーズ 4393 バンクイノベ 3,665 145 46.2 -3.6
東証マザーズ 1447 ITbookHD 795 157 43.6 53.8
東証マザーズ 3689 イグニス 1,917 300 43.0 -38.1
東証マザーズ 3998 すららNT 6,980 443 35.1 20.6
東証マザーズ 4480 メドレー 5,040 1,523 35.0 10.9
東証マザーズ 6027 弁護士コム 11,180 2,489 32.6 3.0
東証マザーズ 4592 サンバイオ 2,045 1,059 32.4 43.6
東証マザーズ 7707 PSS 1,338 353 31.2 -16.4
【単位】9月末終値:円 時価総額:億円 売買代金25日移動平均値:億円 月間騰落率:%