高水準の原油生産量・埋蔵量のシェアを背景に、原油市場に強い影響力を行使してきた

 OPEC加盟国は2020年9月時点で13カ国です。この5カ国ではじまったOPECは最大15カ国となったことがありました。以下は、現在の加盟国と過去の加盟国の原油生産量と原油の確認埋蔵量です。

図:現・旧OPEC加盟国の加盟期間、原油生産量、原油確認埋蔵量

出所:各種資料より筆者作成
※確認埋蔵量とは、現在の技術で、経済的に採取できる埋蔵量を指す。技術向上や価格上昇で損益分岐点が変動すると確認埋蔵量も変化する。

 1960年の設立以降、中東のカタール、UAE、北アフリカのリビアとアルジェリア、西アフリカのナイジェリアとガボン、南米のエクアドル、東南アジアのインドネシアが加盟し、組織がどんどんと大きくなっていきました。先述のレンティア国家の要素を持つ国が目立ちます。

 また、2017年1月に非OPECとの協調減産が始まり、非OPECとして減産に参加していた赤道ギニアが同年、コンゴ共和国が翌年加盟し減産に参加するOPEC加盟国が増えました。

 一方、脱退した国もあります。組織の規定では“実質的に純輸出国であること”が加盟の条件として明記されています。経済発展が進んだことなどを背景に、原油の輸入量が増加したインドネシアは2016年12月に脱退しました。

 その他、カタールは天然ガスの開発に注力するとして2019年に、エクアドルは中国への債務返済のため、原油生産量を人為的に減少させる減産に賛同できなかったことなどで、2020年に脱退しました。

 OPECは加盟国が入れ替わりながら、60年という歳月を過ごしてきたわけですが、旧加盟国が脱退した理由を振り返ると、“時代の流れ”がOPECという組織にも、強く影響したことがうかがえます。

 現加盟国の原油生産量と原油の確認埋蔵量のシェアを見ると、原油生産量が39.0%、確認埋蔵量が79.1%と、ともに大きな割合を占めています(2019年時点)。このシェアの高さが、市場への“影響力”・“発言力”の強さの背景と言えると思います。以下のとおり、OPECの原油生産量のシェアは、おおむね40%前後で推移してきたことがわかります。

図:OPECの原油生産量のシェアの推移

出所:OPECのデータより筆者作成