7年半ぶりに500兆円(年率換算)を割り込んだGDP

 今回のマイナス成長でもう一点注目すべき点は、GDPの総額が7年半ぶりに年率換算で500兆円を割り込んだことです。2019年7-9月期の539兆円と比べて、今回のGDPでは485兆円となったため、約10%も減少したことになります。

 マーケットではGDPを見る際に増減率(経済成長率)に注目しますが、この500兆円という数字は日本経済を俯瞰(ふかん)する時の重要な数字となっています。500兆円以下か500兆円以上かで日本経済の活気度が変わってきます。リーマン・ショック後(2009年1-3月期)は463兆円まで減少しましたが、その1年半後には500兆円間際まで回復しました。しかし、2011年3月に東日本大震災が発生したため、リーマン・ショック前の水準506兆円(2008年1-3月期)を回復したのは2013年4-6月期でした。元の水準を回復するまで約4年かかったことになります。今回の500兆円割れが元の水準を回復する期間として、この約4年が一つの目安となりそうです。

 日本経済新聞によると、直近のピークである2019年7-9月期の水準を回復するのは民間エコノミスト22人の回復予想でも「2024年」が最多となっています。やはり回復には4年かかるとみているようです。