6月の新興株<マザーズ、ジャスダック>マーケットまとめ

 緩和バブルを謳歌せよ!それが6月も正解だったようです。月初から、一貫して警戒された“新型コロナ第2波懸念”。月後半に全世界の感染者数が1,000万人を超えましたが、その過程で欧米や中国での感染者急増が何度もニュースとなりました。これは日本国内でも同じですね。ただ、上値の重しになったかもしれませんが、決定的な株安要因にはならなかった…ネガティブニュースに対する感応度が引き続き低いままでした。

 FOMC(米連邦公開市場委員会)で経済に対する悲観見通しが示されたあと、11~15日にVIX指数が一時40%を超える場面を作りました。米国株市場が急落したわけですが、この下げも、終わってみれば飲み込み、株価は月末に向けて上昇。新型コロナ第2波懸念はあるけれど、「流動性は十分!この環境で株は売るな!」だったようです(難易度高過ぎる…)。

 リスクオン地合いが続くなか、4・5月に2カ月連続で月間上昇率20%超を記録した東証マザーズ指数は6月も上昇。米国でも同じ現象が起きたようですが、コロナ禍で個人投資家の口座開設、短期売買が急増した効果が好循環を生んでいます。上がるから買う、買うから上がる…マザーズ指数の月間騰落率は+3.0%でした(日経平均株価は+1.9%、TOPIXは▲0.3%)。週間ベースでは、4月第2週から6月第4週まで12週連続で上昇。これは、マザーズ指数の算出来で最長記録となりました。12週連続上昇が始まる前のマザーズ指数終値は593ポイント、それが26日に付けた高値が1,067ポイントですから驚愕です。

 ただ、26日高値をピークに、月末にかけて連日軟調な展開となりました。その理由は2カ月半ぶりに再開したIPO(新規公開株)にありました。約3カ月にわたってマザーズ市場は好調でしたが、個別銘柄の株価も急激に値上がりしていたうえ、さすがにマンネリ化…。新しい物色対象に飢える個人投資家が大勢いるなか、登場したニューカマー(24日はロコガイド、コパ、フィーチャの3社が同日上場)を個人投資家は大歓迎。初値を付けた後エントリーするわけですが、ここに資金が吸い上げられ、他のマザーズ銘柄の需給悪化要因になりました。IPO銘柄は、上場月の翌月月末までマザーズ指数の構成銘柄にはなりませんので、IPO株が盛り上がれば盛り上がるほど、マザーズ指数にはネガティブな影響をもたらしました。