値上がり率ランキング(5銘柄)

1 ANAP(3189・ジャスダック)

 ネット販売比率が高いとはいえ、売上の約4割は店舗販売のANAP。コロナ影響は甚大で、5月後半に今期末の株主優待(iTunesカード3,000円分)の一部中止を発表。優待目的の投資家も手放すきっかけになり、5月末時点の株価は285円でした。その株価が、6月高値で一時1,419円まで上昇するとは…。

 動意付いたきっかけは、まず5日の前場に、メルカリの手掛ける決済サービス「メルペイ」を利用して購入した商品のメルカリへの簡単出品サービスを開始したとの発表。さらには22日に、子会社のANAPラボが、人工知能(AI)を活用して解析し、自動的に動画を切り抜くシステム「Labpick」を開発したと発表。いずれも意外な材料ではありますが、本業の苦戦をカバーするようにも見えない材料ですが…。テーマ株人気、低位株人気の時流に偶然乗っかれたといった所でしょうか。

2 GMO TECH(6026・東証マザーズ)

 コロナ禍で大きく躍進したグロース株のひとつが東証1部のGMOクラウド(3788)。このGMOクラウドが24日、遂に株価1万円台の大台乗せ。この前後から、GMOつながりで、社名にGMOが付くGMOインターネットの上場子会社(計8社)が軒並み買われるという雑な物色が大盛り上がり!

 その中でも、時価総額が小さい同社や、GMO-AP、GMOメディアが値上がり率上位にランクイン。“GMO軍団”というだけでストップ高して、値上がり率ランキング上位を独占する光景は異様でしたが…それだけ、リスクを恐れない(最近始めた人含め)個人投資家が増えているということでしょう。

3 フルッタフルッタ(2586・東証マザーズ)

 25日に、2020年3月期の有価証券報告書提出で債務超過が解消され、東証から上場廃止に係る猶予期間入り銘柄を解除されたと発表。これを受けて、29日にかけて値幅制限いっぱいまで買われる動きになりました。2019年3月期に債務超過に転落しましたが、その後の資本増強策などで債務超過が解消されたようです。

 株にとっての最大のリスクは「上場廃止リスク」。この株価にとって最も重い蓋が外れたわけで、株価も急騰するわけですが…上場廃止の猶予期間入り基準はクリアできただけで、ここからは再び業績が焦点になります。アサイー、売れてるんでしょうか?

4 すららネット(3998・東証マザーズ)

 コロナ禍をきっかけに導入が加速し始めたオンライン授業。全国の小中高校や、学習塾でオンライン教材の利用が増えており、同社教材の新規導入塾数は、4~5月に前年同期比約5倍に増えたとも報じられました。2020年1-3月期に営業損益が黒字転換しましたが、4-6月期の業績に対する期待で株価もヒートアップ。

 火に油を注いだのが、12日の前場に発表された株式5分割でした。大型分割の発表で当日はストップ高したうえ、実際5分割された29日もストップ高。株式分割の実質的な効果は“株を買いやすくなることだけ”ですが、これほど効果てき面となったのも好地合いが成せる業でしょうか。

5 Macbee Planet(7095・東証マザーズ)

 今年の3月下旬に上場した直近IPO銘柄です。株価も上場来高値圏に位置していた好需給銘柄でしたが、12日に発表した本決算で上昇加速!前2020年4月期の売上高が前期比38%増、営業利益が同88%増の大幅増収増益でした。IPO時に示していた会社計画も上振れ着地、IPO時予想を上振れた銘柄は株式市場で高く評価される(下振れた会社は著しく売られる)傾向があります。

 今2021年4月期業績については未定としていますが、新型コロナ影響は来店型の美容系向けでネガティブ。ただ、ECの美容系や金融系などはプラス影響があるようで、やはりコロナの業績影響は小さい銘柄といえるようです。