値上がり率ランキング(5銘柄)

1 テラ(2191・ジャスダック)

 27日、新型コロナウイルス感染症に有効な新薬の開発に係る事業を新たに開始すると発表。間葉系幹細胞を用いた治療法でセネジェニックス・ジャパンと共同研究契約を結び、両社で新型コロナに有効な新薬を共同開発するそうです。

 同じ創薬ベンチャーであるアンジェスが先に急騰、これが連想されて買い注文が殺到したわけですが…27日時点の時価総額はわずか39億円だったテラ。需給ギャップで3日連続ストップ高となり、この材料一発で4月の値上がり率トップ銘柄となりました。

2 NexTone(7094・東証マザーズ)

 歴史的悪地合いに上場した不運の3月IPO銘柄の一角(上場日は3月30日)。初値は、公開価格1,700円を少し割り込む1,660円。そこから14営業日後に、最高値で7,160円まで上昇するとは…恐るべし4月の直近IPOバブルでした。

 同社のビジネスモデルは音楽の著作権管理で、これは上場企業としては初モノです。国内の競合は有名なJASRACのみで、現在は二強体制。エイベックス所属アーティストなど有力アーティストの多くの楽曲を管理しています。同社はコンサートやカラオケでの使用に伴う「演奏権」には進出しておらず、外出自粛で音楽のダウンロード数が増加するメリットだけを享受する巣ごもり関連株ともいえるようです。

3 cotta(3359・東証マザーズ)

 新型コロナによる外出自粛のメリット銘柄として人気化。きっかけは、8日に発表した3月のメディアサイト新規会員登録数でした。同社はパンや菓子商材の通販サイトを運営していますが、そのサイトの新規会員登録数が前年比で3倍(!)に伸びたと。

 法人向けでは、少量単位での注文を可能にしたことが会員数増加につながったようですが、注目されるのが個人向け。巷でも話題になりましたが、自宅でパンや菓子作りを楽しむ人が増えたといいますよね。そうしたニーズを取り込んだようです。2020年9月期は赤字転落が予想される企業、業績のドン底からの脱出にも期待が織り込まれ…。

4 VEGA(3542・東証マザーズ)

 3位のcottaと同じく、同社もECサイトの運営会社。新型コロナ禍ではオンラインビジネスの強さが目立ちました。同社は、家具・インテリアの通販サイト「LOWYA」を主力としています。その「LOWYA」の3月の受注金額は前年同月比93.9%増と、過去最高を更新するほど好調だったようです。2020年3月期の業績予想は、営業損益で従来予想の1.7億円赤字から1.1億円黒字に上方修正。一転して黒字転換としたことがサプライズに。

5 中央化学(7895・ジャスダック)

 マイナー銘柄だった同社が、月間で株価2倍超に! 新型コロナウイルスによる外出自粛から、思わぬ連想に発展したことがきっかけでした。今回の外出自粛で、客数の落ち込みが深刻な飲食店などがテイクアウトに力を入れていますよね。そうした中食需要が増加すると、必然的に需要が増すのが食品包装材です。大手のエフピコが買われたほか、関連企業の中小型株として竹本容器や同社にも物色が波及。月間出来高921万株は、記録がさかのぼれる1994年以降で同社として最大でした。