もう一つのリスク、原油動向

 原油価格については、4月9日に予定されているOPEC(石油輸出国機構)プラス(OPECと非OPEC産油国)の臨時会合が注目されています。原油は3月6日の減産合意決裂以降、急落し、株安に拍車をかけました。

 9日のOPECプラスでトランプ大統領の提案のように大幅な減産合意に達すれば原油は急騰しますが、大幅減産でなくとも減産合意に達し、WTIで20ドルが下限との期待が高まれば、マーケットにとってはプラス要因となります。もし、合意に達しなければ原油は急落し、株安、ドル安になります。絵に描いた餅にならないことを期待したいものです。

国内の非常事態宣言は織り込み済みだったマーケット

 日本は、4月7日に非常事態宣言を発令しましたが、マーケットにはほとんど影響がありませんでした。4月初めにロックダウンとの噂が流れていたため、円安部分を織り込んでいたことが背景にあるようです。安倍晋三首相はロックダウンではないと説明していますが、国民性から個人も企業もかなり自粛し、効果が出てくるのではないかと期待しています。

 新型コロナウイルス感染拡大がピークに達し、拡大ペースがスローダウンすれば、マーケットは経済悪化を消化し始めます。ドル/円はFRBの超金融緩和を背景にドル安・円高の方向で動いていくのかどうかを注目したいと思います。