マーケットは経済指標に関心なし?注目はコロナ終息

 しかし、これら悪い数字に対してマーケットの反応は鈍く、経済指標の強弱に相場は大きく動かなくなってきました。マーケットでも経済は二の次であり、新型コロナウイルス感染拡大自体が、どのように収まるかに注目しています。

 4月6日(月)のNYダウ株価指数は、新型コロナウイルスによる死者数の鈍化がみられたことから警戒感が和らぎ、反発しました。さらに、米ニューヨーク州のクオモ知事が「感染ペースが減速している」と発言すると株上昇は加速し、1,627ドル高となりました。3日発表の新規雇用マイナス70万人や、たった2週間にあった1,000万人の失業保険申請件数にもかかわらず、株は急騰。経済よりも感染に安定化の兆しがみられたことに反応しました。

 NYダウの6日(月)の終値は2万2,679.99ドルとなり、3月23日につけた安値1万8,591ドルから、わずか2週間で22%上昇しました。一般的な定義では直近安値から2割上昇すれば「強気相場入り」とされますが、果たしてどうなるのでしょうか。3月は激しく急落しただけに、この反動だけかもしれず、半身で臨む必要がありそうです。

リーマン・ショック時の底値を振り返る

 ちなみに2008年9月のリーマン・ショック後の一番底は2008年10月、11月に二番底、年末年始にやや戻したものの2009年2月に三番底、そして3月につけた四番底が大底となりました。一番底から半年かかっています。今から景気が悪化することを考えると、今回の22%の反発で大底と見るのは時期尚早かもしれません。