武漢発の新型肺炎は、SARSよりは致死率が低いと考えられる

 新型肺炎の毒性の強さ・致死率と、感染拡大の関係についても、時間が経過するにつれて、理解が進むと考えられます。一般的に、新型肺炎は毒性が強い程、致死率が高くなりますが、そうなると潜伏期間が短く、すぐに症状が現れやすいので、医療が整備された先進国では感染が拡大しにくくなります。

 一方、毒性の強さが低くなるほど、致死率は低下しますが、潜伏期間が長く、潜伏期間で症状が現れないために、感染が拡大しやすくなります。

 武漢発の新型肺炎について、まだ確定的なことはわかっていませんが、現時点での推定では、エボラ出血熱やSARSより致死率が低くなる分、潜伏期間が長く、感染が拡大しやすいと考えられています。

新型肺炎の致死率(現時点での推定)

出所:各種資料より楽天証券経済研究所が作成

 上記は、あくまでも現時点での推定です。新型肺炎は、SARSを超える感染拡大となり、恐怖が拡大したものの、毒性・致死率では、SARSよりは低いと推定されています。