初の死者発生が報じられた半ば以降、景気に敏感な商品・株式・関連通貨の下落が目立つ

 新型肺炎が原因とみられる初めての死者が発生したと報じられたのは、先月半ばでした。米金融大手が新型肺炎の拡大がきっかけで世界の石油の消費が減少すると発表した1月22日ころから、原油、非鉄などの景気の動向に敏感な銘柄のほか、豚肉や大豆など中国に関わりが深い銘柄が幅広く下落しました。

図:1月11日以降の騰落率(2月3日午前時点)

出所:各種データより筆者作成

 独自色の強いビットコイン[暗号資産]やパラジウム[商品]、世界的な懸念が強まった時に物色されやすい金[商品]、金に追随する傾向がある銀[商品]、ブレグジットが、いったんの節目を迎えたポンドなどを除けば、1月半ば以降、株、商品、商品に関りがある通貨が、幅広く売られていることがわかります。

 下落が特定の銘柄で起きていないことは、それだけ今回の新型肺炎の影響範囲が広いこと、新型肺炎を大きな懸念と認識している人が分野を問わず大勢いることを示していると言えます。