東京都心以外で人口増加が見込めるエリアは?

 安倍政権による大胆な金融緩和政策により、国内の不動産は上昇傾向が続いている。特に首都・東京は、五輪という特需もあり、海外からも投資マネーが流入し、活況を帯びている。しかし問題は五輪以降。国内人口が減少トレンドに突入するなか、熱が冷めたあとの東京では「不動産バブルが弾けるのでは」と不安視する声もある。

 そのようななか、都心回帰の流れも相まって、山手線内の都心であれば不動産投資はまだまだいける、という観測が根強い。果たして、ほかのエリアに未来はないのか。そこで東京の将来人口をメッシュ分析(図表1)したところ、興味深いエリアが見られた。

[図表1]2015年~2040年「東京」エリアの人口増減率

出所:RESASより作成

 メッシュ分析は、黄色~橙で10%の人口増、緑~黄緑0~10%の人口増、青系色で人口減少を表すが、言われている通り、都心は人口増加が見込まれているのがわかる。注目すべきは、都心から見て北西エリアだ。東京郊外で人口減少を示す、寒色系の色が目立つなか、人口増加を示す暖色系の色が目立つ。エリアでいうと、練馬区と板橋区、路線でいうと西武池袋線と東武東上線が走るあたりである。

 人口動態は、不動産投資・不動産経営を考えるうえで、重要なファクターである。そこで両エリアの不動産投資の現況と将来性を見ていこう。

◆東京23区で一番新しい「練馬区」

 東京西部に位置する「練馬区」は、1947年、板橋区から分区して誕生。東京特別区の中で一番若い区である。「ねりま」という地名の由来には、「奈良時代、武蔵国に『のりぬま』という宿駅があった」「関東ローム層の赤土をねったところを『ねり場』といった」など諸説ある。

 郊外型の農業が発展してきたエリアであり、農地面積は特別区の中で第1位。キャベツ栽培が盛んだが、実は名の知れた「練馬大根」は練馬区内ではほとんど作られていない。また「東映アニメーション」や「虫プロダクション」など、アニメ関連の企業が集積。その数は日本一で、「アニメのまち」として国内外に広くPRを行っている。

 その練馬区の南東部に位置するのが「練馬」駅。西武鉄道池袋線と有楽町線、豊島線のほか、都営地下鉄大江戸線が乗り入れ、「池袋」には10分、「新宿」には17分程度でアクセス。西武有楽町線は「小竹向原」駅で東京メトロ有楽町線と副都心線に連絡し、有楽町線で「永田町」「有楽町」「豊洲」方面へ、副都心線で「新宿三丁目」「渋谷」さらには横浜方面へダイレクトにつながる。

「練馬」は練馬区政の中心であり、南口には高さ100m弱、特別区の区役所では2番目に高い(ちなみに1番は文京区)練馬区役所が建つ。また駅南口は商業の集積地でもあり、多くの飲食店が集まる繁華街を形成。北口は閑静な住宅地が広がる一方で、公共施設、医療施設のほか、深夜まで営業しているスーパーなどが入る複合施設「ココネリ」があり、居住性が高いエリアである。

「練馬」駅北口より南口方面を望む