◆物流の拠点として発展してきた「板橋区」

 一方、練馬区と接する板橋区は、1932年に9町村が東京市に編入されたときに誕生。「板橋」は、平安時代には存在していた地名であり、石神井川に架かる「いたばし」が由来だという説が有力。江戸時代には、中山道の最初の宿場町であり、川越街道の起点(中山道との分岐は板橋宿平尾追分)として板橋宿が繁栄。宿場町の機能を失った明治以降、板橋宿一帯は遊郭として賑わった。

 江戸時代は中山道、川越街道と重要街道が走り、近年は環状六~八号線、首都高速五号線など、重要幹線があいついで敷設されたこともあり、板橋区は物流の一大拠点として発展。このような背景から一帯には町工場が集積し、モノづくりの街としても知られてきた。戦前は軍需産業を目的とした産業、戦後は精密・光学機器や印刷関連産業などが中心に展開されている。

 このような板橋区のなかで、将来人口の増加率が高いエリアのひとつが、東武東上線「成増」駅の周辺である。「池袋」駅からは10分ほどで、駅南口には東京メトロ有楽町線、副都心線の「地下鉄成増」駅がある。地下鉄駅を利用すれば、有楽町線で都心方面、副都心線で新宿、渋谷、横浜方面にダイレクトにリーチでき、交通の至便性が魅力的なエリアである。

 駅周辺は商業施設が集積。駅北口の複合施設「ACT」には行政機関のほか、24時間営業のスーパーが入居。駅南口には、一時は本社機能も備えていた「ダイエー成増店」のほか、「なりますスキップ村(成増商店街振興組合)」を始めとする4つの商店街があり、常に人通りは絶えない。ちなみに商店街内にある「モスバーガー成増店」は、同社の第1号店である。

「成増」駅南口のスキップ村入口付近