◆まとめ 

 今後、東京特別区では、勝ち組/負け組が鮮明になると推測される。将来人口の推移(図表11)を見てみよう。2015年を100としたとき、2040年の人口が110を超えるものを朱色、100~110までのものを黄色、100を切り人口減少が見込まれるものを青色で記した。やはり山手線内に駅を有したり、開発著しい沿岸部を有したりする区は、高い人口増加が見込まれる朱色に分類される。そこに練馬区も入り、安定的な人口増加が見込まれるなかの最上位に板橋区が登場する。両区とも、東京における勝ち組といえるだろう。

[図表11]東京特別区の人口増加の比較

2015年を100とした際、2040年の数値(出所:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」平成30(2018)年推計)

 なぜ、両区が顕著な人口増加が見込まれているのか。その要因に考えられるのが、交通の利便性と不動産価格だ。

「練馬」と「成増」に代表されるように、都心方面はもちろん、池袋、新宿、渋谷という3つの繁華街に一本でアクセスできるエリアは都内でも希少だ。しかもこの地域の賃貸価格は比較的安価であり、居住地を選ぶ際、憧れなどを抜きにして、現実的な視点で候補になりやすい。今後、都内でも安定した賃貸需要が見込める練馬区、板橋区は、不動産投資の有力な候補地になりそうだ。

(GGO編集部)

※この記事は2019年10月4日に幻冬舎ゴールドオンラインサイトで公開されたものです。

記事提供元