「1995年型」の予防的利下げを完了したFRB

 2019年中、FRBは3回にわたる小刻みな利下げで米国の政策金利であるFF(フェデラルファンズ)レートを2.5%から1.75%に下げてきました。そして「当面、利下げはこれで打ち止めとし、様子を見る」ことをシグナルしました。

 ジェローム・パウエルFRB議長は「今回の利下げは1995年のケースと同じだ」ということを繰り返し強調しています。あの時はアラン・グリーンスパン議長が采配(さいはい)を振るっており、機先を制した利下げにより経済のソフトランディングが演出されました。

 その当時の株式市場のパフォーマンスを示したのが、下のチャートです。

1990年代後半のS&P500種指数の年間パフォーマンス

単位:%
出所:ストックトレーダーズ・アルマナック

 つまり、1995年は株を買うタイミングとしてはとても良い時期だったのです。パウエル議長が主張しているように「今回は1995年と経済の置かれた環境が似ている」のであれば、株式に弱気になってはいけない気がします。