中国バブルは崩壊するか?

 最初の読者の質問、「中国バブルはいつ崩壊する?」について、私の考えを述べます。同じ質問が、日本ではこれまで何回も繰り返されてきました。中国経済が危機的であった1998年にも、高成長に入ったあとの2004年にも2008年にも2015年も、そして今も、何度も繰り返されてきた質問です。

 日本では、「いつか中国バブルが崩壊する」という論調が多いが、実際には、そうなってきませんでした。私は、これからも当分、いわゆるバブル崩壊はないと思っています。景気後退はあり得るが、日本が1990年代に経験したようなバブル崩壊はないと考えています。

 中国経済は変動の大きな経済で、これからも景気拡大と景気後退の大きな波を繰り返すと考えています。今、中国景気は、後退スレスレまで悪化しています。それでも、米国との貿易戦争で一時的に休戦できれば、来年には景気が持ち直すと考えています。もし、貿易戦争で休戦することができなければ、来年も中国景気の低迷が続くと考えられます。それでも、深刻な景気後退は避けられると考えています。半導体や5Gなどへの投資が来年には世界的に盛り上がり、中国はその恩恵を受けると考えられるからです。

 計画経済で膨らんだ非効率な投資は、これまでに何度も清算されてきました。地方に林立した誰も住まない高層マンションがゴーストタウン化している問題、非効率な鉄鋼業のゾンビ企業が延命している問題など、バブル崩壊の芽はあちらこちらにあります。バブルの一部は、すでに崩壊しています。一方、世界の最先端市場で、次々とトップを取っていくバイタリティーも健在です。バブル崩壊と成長が共存するのが、これまでも、これからも中国経済の姿となると思います。

 日本株の先行きを考える上で、当面、中国経済の状況から目が離せません。これからも定期的に、中国経済の分析をお届けします。

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