信用取引のメリットとリスク

 信用取引のメリットといえば、上でお話しした通り、レバレッジを利かせることで、少額の資金で大きな利益を目指すことができるという点です。

 相場環境がよければ、1年で資産3倍、5倍、10倍にすることも夢ではありません。

 もう1つのメリットは、空売りができることです。株価は常に上昇するわけではありません。下落することも当然ありますし、マーケットの環境が悪ければ、何年もの間株価が下げ続けることもあります。

 こんなとき、株を買って利益を得ようとしても物理的に極めて困難ですが、株を売って安くなったところで買い戻すことで利益を得るのは十分可能です。

 この、持っていない株を売って安く買い戻して差額の利益を得ようとすることを「空売り」と呼び、信用取引を用いないと行うことができません。

 一方で、信用取引にはリスクがあります。最大のリスクは、レバレッジがかかることにより利益だけではなく損失も増幅してしまうことです。

 上の例で、30万円の資金で30万円の株を買い、それが30%下落したとします。すると30万円×30%=9万円の損失となり、これは投資資金30万円のうちの30%にあたります。

 これが信用取引を使って30万円の資金で100万円分の株を買い、これが30%下落したらどうなるでしょうか?

 損失は100万円×30%=30万円です。資金は30万円しか持っていませんから、買った株の株価が30%下落すると、投資資金の全額を失ってしまうことになります。