信用取引を用いる2つの理由とは

 筆者も信用取引を多用していますが、その理由は[1]純粋に利益を求めるため[2]保有株の株価下落に備えたヘッジをするための二つです。

[1]純粋に利益を求めるとは

 例えば、30万円の資金を使って現物取引により30万円分の株を買い、50%値上がりすれば15万円の利益になります。30万円の資金に対する利益率は50%です。

 これを、信用取引を用いて30万円の資金で100万円分の株を買い、これが50%値上がりすれば利益は50万円となります。元本30万円に対し50万円の利益ですから、利益率は166%となります。

 信用取引を用いると、およそ3倍のレバレッジをかけることができます。そのため、元本が小さくても大きな利益を狙うことが可能となるのです。

[2]保有株のリスクヘッジとは

 例えば、保有している株の株価が下降トレンドになり、さらなる下落が懸念されるような場合に用います。

 保有株自体を売却してもよいのですが、含み益がたくさんあるので売却すると多額の課税がされてしまう、せっかく安く買ったので、できればそのまま持っておきたいというニーズもあります。

 そんなとき、持ち株はそのまま保有をする一方で、同じ株数の空売りを実行すれば、いわゆる「両建て」となり、その後株価が上昇しても下落しても損益は変動しません。つまり利益の実現をさせずに、売却したのと同じ効果を得られることになります。