大企業の冬のボーナスは、下方修正もある?

 民間企業の冬のボーナスについては、新聞社やシンクタンクなどが調査をしています。とくに、経団連は大手企業(原則として東証一部上場、従業員500人以上の企業)のボーナスを継続して調査しており、最終結果だけではなく中間集計も公表されるため、注目されています。

 経団連の公表資料を基に、2010年夏のボーナスからの推移を見ると、緩やかながらも増加傾向にあったことが分かります。2019年冬のボーナスは第1回集計値のため、最終集計で修正される可能性が高いですが、現時点で集計されている82社の総平均では、前年比1.49%増加の96万4,543円になります。

▼大企業のボーナス支給額の推移

(出所)経団連「賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果」を基に筆者作成。2019年冬は第1回集計値。

 2019年冬の非製造業のボーナス支給額が高い伸びを示していますが、第1回集計値では非製造業はまだ5社分しか集計されておらず、そのうち、建設業が3社を占めています。オリンピック特需もあって、建設業の平均は172万3,818円と他業種を引き離しており、これが非製造業の平均を引き上げています。

 最終集計ではどのような結果になるのでしょうか。最終集計の集計社数は150社程度になることが多く、第1回集計ではまだ半分程度しか集計されていません。この時期に回答する企業は、春の時点で夏・冬のボーナス支給額を決めた企業が多いため、第1回集計値は足元の業績を織り込めていません。

 これから回答する企業は足元の業績を反映する傾向が強くなります。今年の夏のボーナスが前年割れだったことを踏まえると、最終集計値では伸びが鈍化し、前年割れもあるかもしれません。そうなると、景気悪化を指摘する声もより大きくなりそうです。