各行の決算分析

シティグループ

 シティグループ(C)の第3四半期決算はEPSが予想1.95ドルに対し1.97ドル、売上高が予想185.4億ドルに対し185.7億ドル、売上高成長率は前年同期比+1.0%でした。

 グローバル・コンシュマー・バンキング(GCB)売上高は86.6億ドルで、これは前年同期比+1.0%でした。そのうち北米売上高は前年比+4%の53.5億ドル、南米は▲16%の13.9億ドル、アジアは+3%の19.2億ドルでした。

 インスティチューショナル・クライアント・グループ(ICG)売上高は95.13億ドルでした。これは前年同期比+3%でした。そのうち北米は▲7%の31.0億ドル、欧州中東アフリカは+7%の31.4億ドル、南米は+11%の11.7億ドル、アジアは+9%の21億ドルでした。

 債券部売上高は32.1億ドル、前年同期比±0%でした。債券引受けフィーは7.05億ドル、前年比+7%でした。シティグループの債券部は、かつてのソロモン・ブラザーズの債券部が母体となっており債券トレーディングに強いことで知られてきました。その同行にとって今回の決算は大いに不満が残るものと言えるでしょう。

 株式部売上高は7.6億ドル、前年同期比▲4%でした。株式引受けフィーは2.5億ドル、前年同期比▲5%でした。

 M&Aアドバイザリーは2.8億ドル、前年同期比+5%でした。

 シティグループ全体の営業費用は105億ドルで、前年同期比+1%でした。

 エフィシェンシー・レシオは56.3%(前年同期は56.1%)、前期は56.0%でした。

 純金利マージンは2.56%で、2019年第2四半期は2.67%でした。

 貸し倒れは21億ドルで、これは前年同期比+6%でした。クレジットカードのボリューム増が、時間経過に応じて焦げ付きを増やしたためです。

 純利益は49億ドルでした。コンセンサス予想は43.4億ドルでした。

 ROE(株主資本利益率)は10.4%(前年同期は9.6%)、前期は10.1%でした。

 ROTCE(有形自己資本利益率)は12.2%でした。

 CET1 capital ratio(普通株式等ティアワン比率)は11.6%(前年同期は11.7%)、前期は11.9%でした。

 1株当たり有形簿価は69.03ドル(前年同期は61.91ドル)前期は67.64ドルでした。

 シティグループは3年間の間に投資家に対し配当や自社株買い戻しにより600億ドルを還元するプログラムを実施中であり、現在はその2年目です。

 現在の経営環境は予想しにくいです。

 消費者バンキングの事業は引き続き良いモメンタムです。メキシコに関しては用心深く見ています。

 株式トレーディングはプライム・ブローカレージの残高が減少したことが響き、さえませんでした。

 純金利マージンの下落は市中金利の下落を反映しています。

 インスティチューショナル・クライアント・グループは、昨年の第4四半期ほど厳しい環境は予想していません。

 貸し倒れは引き続き微増すると予想します。